服部浩子全曲集 2008

服部浩子 服部浩子全曲集 2008歌詞
1.むらさき日記

作詞:松井由利夫
作曲:叶弦大

ときめく夢の 日捲(めく)りは
春がこぼれて 秋になる
十二単(ひとえ)の 片袖しぼり
恋に身を灼(や)き 澪標(みおつくし)
女の性(さが)の 切なさは
… 涙でひらく 紫の花

紅(べに)ひく指の 先までも
想いあふれて 待つ夜毎(よごと)
月のしずくに 面影つなぎ
恋に身を灼(や)き 澪標(みおつくし)
まぎらす筈(はず)の 琴の音(ね)が
… 寂しささそう 末摘(すえつむ)の花

薄(すすき)の波に ふりそそぐ
いつか茜(あかね)が 紫に
霧の朝(あした)に 風立つ夕(ゆう)べ
恋に身を灼(や)き 澪標(みおつくし)
叶わぬならば 玉鬘(たまかずら)
… 心で咲かす 夕顔の花


2.海峡わかれ町

作詞:池田充男
作曲:西條きろく

霧笛 おまえは おんなの胸に
なんで冷めたく 突き刺さる
とべないわたしは どうすりゃいいの
あなたひとりを あゝ 連れてゆく
港… わかれ町

鴎啼くこえ きこえる宿の
愛の一夜を 信じたい
さよなら言えずに 唇かめば
おんなごゝろが あゝ また燃える
港… なみだ酒

風の吹きよで 潮路は荒れる
どうぞご無事と 手を合わす
わたしのかわりに この一と粒の
涙だけでも あゝ 連れてって
港… みれん船


3.舞踏曲

作詞:荒木とよひさ
作曲:西條キロク

花の いのちは 短くて
恋の いのちも 短くて
山の湖畔の 静かな窓辺
かすか ラヂオの 涙の舞踏曲
ランプの灯に 綴る手紙の
青い インクの 悲しさよ
今は帰らぬ 思い出の貴方
熱き 唇に ふれもせず

ひとり 夢二の 詩を真似
ひとり 夜更けの ペンの音
寒い心に 暖炉の灯影
ゆれて 踊るは 涙の舞踏曲
緑の黒髪 白いカチューシャ
映す 手鏡の 悲しさよ
今は帰らぬ 面影の貴方
胸に 抱きしめる 寂しさよ

ランプの灯りに 綴る手紙の
青い インクの 悲しさよ
今は帰らぬ 思い出の貴方
熱き 唇に ふれもせず


4.御神火月夜

作詞:横山賢一
作曲:聖川湧

島の椿の花影は
カモメも知らない夢のあと
船はいつ来るあなたの船は
帰り潮路のどのあたり
あー逢いたさにあー泣けてくる
波浮の港は御神火月夜

想い焦がれりゃくちびるも
こんなに燃えます震えます
船はいつくるあなたの船は
ホロリ散る気の一重咲き
あー踏む影もあー細くなる
ユラリもたれて甘えてみたい

あー背のびしてあー指を噛む
波浮の港は御神火月夜


5.長崎ワルツ

作詞:荒木とよひさ
作曲:西條キロク

和蘭陀しぐれの 雨が降る
あの人 こぬかの 洗い髪
鏡よ 鏡 綺麗でしょうか
抱かれる だけでは いけないですか
惚れて 惚れて 長崎ワルツ

小指で紅さす 宵化粧
ひとりで 咲かせる 水中花
涙よ 涙 逢えるでしょうか
乱れる 慕いは 嫌われますか
惚れて 惚れて 長崎ワルツ

Radioに流れる バイオリンの
心に 悲しや 銀の糸
小鳩よ 小鳩 飛べるでしょうか
あしたは 青空 見えるでしょうか
惚れて 惚れて 長崎ワルツ


6.接吻 -くちづけ-


7.戀いのち


8.小倉恋ごよみ

作詞:松井由利夫
作曲:叶弦大

夜の帳が 裾野を包む
入日(いりひ)がにじむ 小倉山
逢いみての 恋しさ 切なさに
紅をさす 指を噛む
…あぁ 胸の炎(ひ)が ゆらゆらと
焦がれて一人 今日も 恋人(きみ)を待つ

その場 繕う 戯れならば
解(ほど)かぬものを 黒髪を
村雨(むらさめ)の 白露(しらつゆ) 槙の葉は
秘めごとの うつし絵か
…あぁ 胸の炎(ひ)が ゆらゆらと
三十一(みそひと)文字に 熱く 綴る文(ふみ)

絹の褥(しとね)を 手さぐりながら
残り香(が)しのぶ 七日月(なのかづき)
瀬を早み 流れる 水音に
夢ならば 夢でいい
…あぁ 胸の炎(ひ)が ゆらゆらと
明日は叶う 花の 恋ごよみ


9.旅路の花

作詞:池田充男
作曲:伊藤雪彦

裾をはしょって 駆けこむ船に
港しぐれが 追いすがる
とめないで とめないで あなたとめないで
こんな静かな 瀬戸内で
こんなわたしを 愛したら
いつかあなたが
いつかあなたが つらくなる

恋をするたび 化粧がかわる
浮いた噂の わたしです
追わないで 追わないで あなた追わないで
女 ひとなみ 根をおろし
二人仲良く 肩を寄せ
夢のくらしが
夢のくらしが したかった

雨にかすんだ 浮桟橋に
うしろ髪ひく 影ひとつ
呼ばないで 呼ばないで あなた呼ばないで
わたし流れて ゆく花よ
今日の運命を ゆきずりの
船にあずけて
船にあずけて 拭くなみだ


10.さくら さくら

作詞:菅麻貴子
作曲:西條キロク

女ですもの こぼれた花を
両手に包んで また散らす
惚れた数から ふられた数を
ひいて私の 倖せいくつ

たったひとつの 人生だから
ねぇ そうでしょ 男と女
空の青さに 心を染めて
きっと綺麗な 花になる

さくらさくら 咲け咲け さくら
思いどおりに 咲いて散れ

別れ言葉を 背中で聞けば
面影濡らして 雨が降る
傘にひとひら 花びらのせて
歩くこの道 想い出いくつ

涙つづりの 人生だって
ねぇ そうでしょ 男と女
逢って別れて 涙のあとに
きっと綺麗な 花になる

さくらさくら 咲け咲け さくら
思いどおりに 咲いて散れ

さくらさくら 咲け咲け さくら
思いどおりに 咲いて散れ

思いどおりに 咲いて散れ


11.波止場

作詞:横山賢一
作曲:聖川湧

岬がくれの 船の灯(ひ)よりも
揺れてせつない 恋ごころ
霧笛泣け泣け 女は辛い…
酒にすがって 見送るけれど
待てと言うのね 別れの波止場

お酒飲むほど 未練が増えて
乱れたくなる ひとり花
汐風(かぜ)よ吹け吹け 女の胸に…
窓のガラスに あなたの名前
消してまた書く 別れの波止場

甲斐性(かいしょ)なくても倖せひとつ
くれる男に 惚れました
かもめ飛べ飛べ 女の夢に…
苦労港も 故郷と決めりゃ
明日があるのね 別れの波止場


12.上海ボレロ

作詞:荒木とよひさ
作曲:西條キロク

夜霧の波止場 嘆きのボレロ
誰がために 歌うや 愁いの麗人よ
上海の 港のダンサー
赤い靴 何故に悲しや
遠い 故郷は 大連か
それとも リラの 花咲く街か
嘆きのボレロ

唇淋し 恋しきボレロ
君知るや 万里の 心の慕い
上海の 霧の四馬路で
追憶よ 何故にちぎれる
今は 彼の人 忘れてか
それとも 夢に さまようままか
恋しきボレロ

涙の夜露 嘆きのボレロ
誰ぞ知る あしたの 我が身のゆくえ
上海の 港のホテル
ドラの音よ 何故に切ない
遥か たどるは 想い出か
それとも あすは 異国の船か
嘆きのボレロ


13.愛みそがれて


14.松竹梅


15.明日香川 恋歌

作詞:松井由利夫
作曲:叶弦大

なみだ笹舟 花の露
乗せて流れる 明日香川
人恋う夜更けは 月さえくもる
面影重ねた 絹小袖
命ひといろ 夢ひといろに
今日もあなたを あなたを 待ちわびる

伽羅(きゃら)の香りの 水明り
揺れてただよう 明日香川
思い出石橋(いしはし) 狭霧(さぎり)に抱かれ
くちびる噛みしめ 空蝉(うつせみ)の
命ひといろ 夢ひといろに
なぜにせつなく せつなく 身をこがす

玉藻(たまも)しがらみ 七瀬波
末はいずこか 明日香川
こぼれ灯たよりに 口紅ひいて
詠み人知らずの 恋歌に
命ひといろ 夢ひといろに
情(こころ)しみじみ しみじみ きざむ夜


16.この町